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三田薫税理士事務所

弁理士 三田 康成
代表・弁理士 三田 康成
特定侵害訴訟代理業務付記

  

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2014年09月19日

会派の研修(営業秘密の漏洩対策)

 前回のブログ にも記載しましたように、私は、春秋会という会派の研修を企画する研修委員を務めています。
 先日は、弁護士の先生を講師にお招きして「営業秘密の漏洩対策」というテーマで講演していただきました。
 「営業秘密」というのは、あまり馴染みがない言葉かもしれませんが、企業秘密,トレードシークレット,ノウハウといったものを含みます。私は、昔、自動車会社で設計業務に携わっていましたが、設計図面(特に公差の設定)や、過去の不具合に基づいて設定された実験条件など、まさにノウハウの塊に触れる毎日でした。これらは、その内容自体は、ある意味単純な繰り返しで取得できるものですが、多大な経験・時間を要し、そこが会社の肝にかかわる重要なファクターです。

 最近ですと、企業秘密である顧客情報が持ち出されてしまったベネッセ事件がありました。また、東芝と共同研究開発していた半導体メーカーのサンディスクの元技術者が、東芝のフラッシュメモリーの技術情報を韓国の半導体メーカーに持ち出した事件もありました。
 ベネッセ事件では、再発防止などの対策費用に260億円(!)かけたと聞いています。東芝事件では、東芝が韓国メーカーに対して、約1100億円(!!)の損害賠償を求めて裁判を起こしています。
 営業秘密の漏洩は、まさに会社の命運を左右しかねない大きな問題です。
 このような営業秘密の保護に関しましても、私たち弁理士の業務範囲ですので、クライアント様から相談を受けた場合に適切なアドバイスができるよう、今回の研修を企画しました。

 損害賠償を請求するには、持ち出された情報が「営業秘密」に該当していることが必要ですが、「営業秘密」と認定されるには、
 ①秘密として管理されていること(秘密管理性)
 ②事業活動に有用であること(有用性)
 ③公然と知られていないこと(非公知性)
の3つの要件を満たさなければなりません。

 このなかでも、争点になりやすいのが、「秘密管理性」です。しかしながら、この要件があまりにも厳格に要求されては企業活動が停滞することとなってしまいますので現実的ではありません。また企業規模によっても変わり、大企業は厳しく要求されますが、社員が数名といった規模ではもっと緩やかになります。また以前は、非常に厳しく判断されていましたが、最近は緩和されているということが裁判所の傾向として見られます。

 このようなことを総合的に勘案して、秘密管理性を満たすための情報管理について、クライアント様にアドバイスできればと思っております。